2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧
「甲斐国造」の祖が「沙本毘古」とされるということは、「甲斐」を「沙本」に関連づけているということである。ところが、「沙本毘売」の別名は「佐波遅比売」であり、このシリア語「佐波遅」(SHD)は「Svati」(西洋に言うアルクトゥルス)に他ならない。…
いわゆる倭の五王の「讃・珍・済・興・武」のうち、「讃」と「珍」と「興」の三名については、「翼」と「軫」と「亢」の書き換えということで説明がつくが、残りの「済」(允恭天皇)と「武」(雄略天皇)に関しては、どうなのか。特に「武」(雄略天皇)に…
仮に安閑天皇が二十八宿の【牛】だとすれば、それぞれの並び順から、応神天皇は自動的に【星】ということになるが、実際に応神天皇が【星】であることを示す何らかの記述が記紀に見られるだろうか。これに関しては先ず、6月18日の稿を参照されたい。古事記に…
典拠はともかく、たとえば学研新漢和大字典の【亢】の項を見れば、「すっくとたちはだかる」という意味が載っており、「抗」に当てた用法、と記されている。主たる意味として「たかぶる」「たかい」が挙げられ、他には「傲慢な態度をとる」という意味も載っ…
日本書記の安閑天皇条に不思議な記事がある。安閑天皇の御名代について述べていると言うしかないが、どうして「牛を難波の大隅島と媛島松原に放つ」ことが「名を後世に伝える」ことになるのか、その点が分からない。安閑天皇の諱は「勾大兄」。他に「大兄」…
仮に「ΣX」というシリア語が「亢」という漢字を標示し得るが故に「沙本」という音仮名表記によって月宿(lunar mansion)の一つである「亢」を示すことを企図したのだとしても、それは古事記というテクスト上のことであって、もともと「ΣX」という言葉がシリ…
インドの「Svati」は中国の「大角」に当たる星である。しかし、摩登伽経や後の宿曜経は単純化を図り、これを「亢」に作っている。即ち、「Svati」が「亢」に翻訳されることによって、結果的に「大角」が「亢」に同一視されている。そのため、漢訳仏典も含め…
6月18日の稿では「品牟都和気」(本牟智和気)について述べた。続いて「沙本毘売」の「沙本」(サホ)だが、これに対応し得る子音対は「SH」「SX」「SP」「ΣH」「ΣX」「ΣP」と少なくない。このうち特に注目されるのは「ΣX」と言える。Payne Smithの『Syriac …
6月17日の「XNA」に関する考察、6月18日の「XMθA」などに関する考察が認められるとすると、シリア語の「X」で始まる語の多くは、その頭子音が、当時のハ行に写されていることになる。その一方、ここでは例は省略するが、シリア語の「P」で始まる語の多くも、…
釈日本紀所引の上宮記に「凡牟都和希王、娶洷俣那加都比古女子名弟比売麻和加生児、若野毛二俣王」云々とある。これを古事記の系譜に照らし合わせてみれば、上宮記の「凡牟都和希」は紛れもなく応神天皇に当たる。「凡牟都」は「ホムツ」と読むしかない。応…
禊祓の場面に出てくる「衝立船戸神」の「船戸」は、日本書紀では「岐」に作られる。こういう場合、この神名において普遍的なものは表記ではない。先に有るのは「フナト」(トは甲類)という言葉である。漢字の「船」の意味、漢字の「岐」の意味、それらは「…
なぜ作るものが「船」なのか、ということを考える場合、その材料である樹が、何の役割を果たす樹であったか、という点を押さえておく必要がある。より正確に言えば、何の役割を果たす樹として描かれているか、という点である。 其の樹の影、旦日に当れば、淡…
momoyukaさんのブログに「枯野という船」の記事がある。まずは直接の関連事項を記しておく。シリア語を含めたアラム語、ソグド語を含めたイラン系の言語、突厥語を含めたトルコ系の言語など、記紀の不思議とも言える言葉を考える場合に検討すべき対象言語は…